先生観察日記


お姉ちゃんは静かに頷きながら聞いてくれた。

机の前に貼っていた、模試の成績を見ながら、こう言った。


「菫が今まで隠していたのは、やっぱり悪いよ。

お金の準備もあることだから、すぐに相談すれば良かったのに。

でも私なら、この成績見たらすぐ納得しちゃうな。

凄いじゃない!?

その先生も一生懸命教えてくれたんだろうけど、頑張ったのは菫だもんね」


お姉ちゃんは、私の努力を認めてくれた。

素直に嬉しいけれど、努力だけじゃなく、支えてくれる人のおかげなんだよ。

私のやる気を引き出す、先生との出会いがあったから、今の私になれたの。


「ううん、先生のおかげなんだ。

予備校で教えていたこともあって、3教科共とても上手に教えてくれるの。

先生に出会わなければ、私なんてどこにも入れないレベルだったかも」


その時、お姉ちゃんが膝をぽん、と叩いた。


「それよ!

予備校の講師なら、進路の面談なんてお手のものでしょ?

その先生に説得してもらいなさいよ」



えええ〜〜〜!!