「最低の講習です!って言ってやりたかった。
でも、人間的にはいいおじいちゃんなんだよな。
今年で退職なんだから、きついことは言えないだろ?」
うん。
担任としてはいいおじいちゃんなんだよね。
授業や講習の教え方はイマイチだけど。
「やっぱり。
でも安心した〜。
先生と担任でバトルにならなくて良かった」
「ただ、講習の時間に漢字の書き取りをやらせるのはなぜかって聞いたけどな。
あんなもん、家でやればいいだろ?
そしたらさ『写経みたいなもので、講習に集中するために必要だ』って言ってて唖然とした」
しゃ、写経ですか……。
「なんか、脱力だね〜。私、この講習受けるの馬鹿馬鹿しいけど、やめる訳にはいかないでしょ?」
「それをやっちゃあ、担任が泣くぞ。自分のおかげで偏差値65取ってると思ってるんだから」
「あの講習で65取れる訳がないでしょ!」
「……最後の生徒なんだから、ちょっとくらい夢を見させてやれよ」



