「え~、初耳! 菫、教員志望だったの?」
そりゃあ、初耳だよね。
私だって今までそんなつもり、全くなかったもん。
でも先生がせっかくごまかしてくれたから、何とか取り繕ってみた。
「国文科に入って何がしたいかっていう質問だったから、とりあえず国語科の教師かな、と思って」
「なるほど。
菫、国語得意だからいいかもね!」
どうやら、ばれずに済んだかな。
そんな話をしていたら、ドラッグストアに到着した。
「とりあえず、トイレ行ってくる!
二人とも、先に買い物してて!」
裕香がいなくなってすぐ、先生からこっそり話しかけられた。
「悪かったな。
もしかしたら、岩谷に内緒で書いてたのか?」
「裕香だけじゃなく、みんなに内緒だよ。
知ってるのは先生だけ」
「……なんで?」
「恥ずかしいじゃない!!
先生にだって見られるの恥ずかしいけど、ネタ集めに仕方なく、なんだからさ」
「まあ、気持ちはなんとなくわかる……かな?」
「でも、さっきのネタ提供、ありがとうございます!」



