車椅子への移乗は思わぬ事から急展開した。
基本形でいけばその前に安定して立つ事が求められるが、どうしても立てぬ。
“自らの足で立つ”
この当たり前の事が、何度やってもバランスを崩し前へ後へ横によろめく。
5・6回に一回くらいは何とか立ち上がったとしても、数秒の後には大きく傾き、慌てて送り足。
時は無情に過ぎてゆく、一週間後
神経内科のM医師に前述の理由から、別棟の「リハビリ病院」への転院を要望していた。
その条件として車椅子への完全“移乗”が不可欠であった。
リハビリ病院入院に際しては、事前に評価委員会に諮ることが前提となっている。
入院希望者は多く、最速で二週間待ち中には一カ月待ちの患者もいるとの由。
病院長・担当医師・師長・専門医・マネージャー等で構成される委員会では、その必然性が論議され日常生活の自律性も重要な要素となる。