他人(ひと)事ではない、声を荒げ怒声を浴びせた。
「その言い草は何だ! 誰に向かって言ってるんだ、いい加減にしろ!! 」
その輩は即座に足音荒々しく立ち去った。
どこにでもこの種の輩がいる、が余りに意識が低すぎる。
己の立場は・何を成すべきか、相手の状態・一かけらでも忖度する気持ちがあれば、まさかの言動である。
病院が標榜するものとは余りにかけ離れ過ぎである。
一週間後Eさんは退院した。
入院中頻繁に見舞い、気遣い、甲斐甲斐しく介護していたEさんの孫娘から訃報を聞いたのは、それから半月余り後であった。
過去の人生において入院の回数は十指に余るが、所謂大学病院・総合病院等大病院と呼ばれる病院ほど封建的な風潮が強く、所謂‘パターナリズム’の残像が色濃く残っている。
それはキャリア官僚の特権意識にも似て、長年淀んだ水に浸かっていると
‘朱に交われば・・・’で、何時しか患者目線が失せる。
医療に於けるgiveとtakeでは、余りにも立場がかけ離れている。