精霊達の棲家

それぞれがリズムに合わせ、如何にも楽し気な表情である。
鄙唄であろうか独特のたおやかな音色に合わせ地唄舞を舞う、情感豊かな旋律に乗り舞姫達は右に左に揺れ動く。
全てを忘れ聞き惚れ、見つめていた。
一人ひとりの顔が手に取るように見える、一様に満面笑みであるがよく見るとそれぞれに風情があり趣が異なる。
笑う嗤う・頬笑み・えくぼ・コケティッシュ・キュート・ナイーブ・艶めかしく・あでやかな・しなやか・妖しく・つやっぽく・悪戯っぽく・小悪魔風・ある者は恥らい・おどけ・すね顔・垂れ顔・中には投げキッスを放つ者まで・・・その様相はどれ一つ同じ顔は無い、恰も房総鋸山の千五百羅漢像を彷彿させる。
ただし そこには怒り・哀切・苦痛・涙顔・恨みや嫉妬といった負の表情は見当たらない。
表現の範囲を超える程豊かで個性的である。
総勢36名、それぞれが舞い踊る。
一頻りの時が流れ、瞬く間の夢の夢のひと時。
瞼を閉じると再び情景が宿る。