精霊達の棲家

身体は全く動かぬ、辛うじて動く手にはあの手袋である。
苛々が募り怒号や罵声ついつい大声も出る。・
「おーい 手袋はずしてくれよ !! 」
「早く外せ ! 」
騒ぐごとに場面は変わる。
ベッドは横に・逆さに挙句には裏返しになる。
何故か裏返っても身体はベッドに密着していた。

夜の帳が下りると、そこは錯乱のトンネルの入口である。
鴨川大山のログハウスの道路に面したテラスで一休みしていると、漆黒の杉山の奥から祭囃子の音色が微かに聞こえ、間もなく軽やかなリズムを引き連れ近付いてた。
すると同時に眼の前の電線に沿う様に白い半透明の布引が、スルスルと張られて行く。
そして布引の向こう側に、浴衣姿に薄化粧の舞姫達が宙に浮かび上中下横一列に並ぶ。
電線の位置に合わせて上が未だ幼さの残る少女達、中段には最も闊達で弾けるような色気を醸す女子団、下段には妖艶さを漂わせる婦女群。