検査結果ではかなりのダメージを受けていたが、比較的早期対応であったこと、そしてM医師らスタッフの懸命の治療により生命の危機は免れたようだ。
まだ予断を許さぬが熾烈を極めていた細胞壊死とのサバイバルは、どうやら生命力優位で展開し始めたようだ。選択と集中の所産である。

過去・現実が実体のない妄想とノイズで引き裂かれ、そして混濁する。
「助けてー、助けてー!! 」
確かに聞こえた。弱弱しい。
紛れもなく助けを求める声である。
声は震え次第に弱弱しく、途切れ途切れに掠れ今にも消え入りそうである。
周囲は騒然としているが、震災後一昼夜を経て未だ何ら手付かずの状態であった。
混乱の最中我が身を挺して救出に駆けつけた人々の必死の救出活動にも拘わらず、作業は遅々として進まない。