虚像の‘締め付け’に抗って、実像の‘歩’を進めるのである。
腹筋から肩にかけて突き上げるような締め付けが作用し息苦しく、腹式呼吸は困難である。
加えて後方に引き倒されるかの様な感覚に苛まれ、一歩一歩の歩行の都度不快感が付き纏う。
“知・情・意”知性と感情と意志、人間の心的三要素であるが、この三要素を鼓舞し決定づけるのはそれぞれのモチベーションであろうか。
とすれば、この不如意な領域に虚像と実像が介在する。

この世に生れて66年、誰しも無意識のうちに培ってきた身体の機能が、突然機能不全に陥る
脳幹梗塞により神経が壊死したという、センサー(検知)機能は正常であったとしても、情報が脳に伝わらなければ、脳から指令が出る筈はない。
ならばこの締め付け感覚や逆さ重力感といった架空の誤った情報は、何を感知し(個別の因子へ)如何なる命令系統で伝達されているのか。