13階霊安室へ移送。
朝までの数時間をそこで過ごすこととなる。
間もなく窓外が白んできた。
瞬く間に明るさを増し、朝靄の中に太平洋の水平線が微かに観える。
女房と娘の瞼には泣き果たしたのだろうか、もう泪はない。そして言葉もない。
陽が昇り始めた。
水面が赤みを帯び、水平線上に浮かぶ雲が薄紅の層となって漂っていた。
窓を見下ろすと、はや人の動きが覗える。
昨夜コンビニで買っておいたパンで、慌ただしく朝食を摂った。
間も無く息子が遣って来る筈だ。
やがて昨夜献身的に遺体の処置を施し、且つ諸々の話を聴きそして慰め励ましてくれた、看護師ユカリさんの笑顔が現れた。
その存在はどれ程心強かったか、どれ程支えになったか感謝の極みである。
葬儀社から持ち込まれた棺と担当者が来院、時を同じくして息子が到着、しめやかに納棺の運びとなった。
娘は納棺の際、薄眼状態の瞼を人差指でそっと触れそして閉じた、右・左。
女房・娘・息子それぞれに掛け替えのない想い出が去来し、止めどなく涙が溢れていた。
朝までの数時間をそこで過ごすこととなる。
間もなく窓外が白んできた。
瞬く間に明るさを増し、朝靄の中に太平洋の水平線が微かに観える。
女房と娘の瞼には泣き果たしたのだろうか、もう泪はない。そして言葉もない。
陽が昇り始めた。
水面が赤みを帯び、水平線上に浮かぶ雲が薄紅の層となって漂っていた。
窓を見下ろすと、はや人の動きが覗える。
昨夜コンビニで買っておいたパンで、慌ただしく朝食を摂った。
間も無く息子が遣って来る筈だ。
やがて昨夜献身的に遺体の処置を施し、且つ諸々の話を聴きそして慰め励ましてくれた、看護師ユカリさんの笑顔が現れた。
その存在はどれ程心強かったか、どれ程支えになったか感謝の極みである。
葬儀社から持ち込まれた棺と担当者が来院、時を同じくして息子が到着、しめやかに納棺の運びとなった。
娘は納棺の際、薄眼状態の瞼を人差指でそっと触れそして閉じた、右・左。
女房・娘・息子それぞれに掛け替えのない想い出が去来し、止めどなく涙が溢れていた。
