何気なく屋根板一枚一枚を眺めていると懐かしげな記憶が甦ってくる。
プラントのメンテナンスや建設関連を主体とした業務に携わって約35年、種々意気に感じ やり甲斐もあった。
一方で思いが空回りし理不尽に憤り、悔しさや挫折を何度も味わった。
振り返ってみれば相応に充実した現役時代を過ごしたと自負している。
本業を終え数年間の関連会社勤務であったが、自らのアイデンティティに疑問を感じ、加えて1日でも早い田舎暮らしやビルダー・クラフト志向が相俟って、一年余を残し中途退職した。
7年程前の事である。
鴨川の此の地を求めたのは23年前である。
バブル終末期、土地神話は依然としてその勢いを留めていたが、将来の夢を求めて奔走した。
南房総にターゲットを絞り、競売を含めて適当な物件を探し、人づての紹介で購入したものである。
地形は斜面であり条件はあまり良いとは言えないが、手を加えれば付加価値は高い。