タイムスリップしたのだと、私は夢のようなことを、考えていた。

 もう元には戻れないかもしれない。そう思うと、お母さんとの何気ない料理のことや、お父さんとのことを、思い出した。

「大丈夫?」

「えっ?」

 唐突に話し掛けられて、体がびくっとした。

「涙目になってたから。何かあった?」

「ううん、何でもない。」