目をぎゅっと閉じ、二人を思い出した。

 家は大丈夫だろうか。揺れが収まったら帰ろう。二人が心配だった。

 でもその意思とは反対に、何故か私の意識は遠退いていった。

 目眩がし、力が抜け、柱に掴まっていた手が自然と離れた。

 そして、そのままその場に倒れ込んだ。

 そう気付いたのは、誰かに声を掛けられ、起こされた時だった。