このままこうしていても、考え込んでしんどいだけ。そう判断した私は、授業の準備をし、鞄に詰め、部屋を出て玄関へと向かった。

 階段の足音に気付いたのか、お母さんがお弁当を持って、駆け寄ってきた。

「美咲、お弁当っ。」

 いつもの赤と白のチェックの布に包まれたお弁当箱を渡された。

「・・・ん。」

 なんだか気まずくて、顔も見ずに受け取った。