こうなったら開き直るしかないのかもしれない。悲観的になったって元の場所に戻れないものは戻れない。 そう思い込むことで、少し不安感が拭われた気がした。 「準備できた?服大丈夫?」 隣の部屋から捺乃の声が聞こえた。 「大丈夫だよ。ぴったり。」 着替えて部屋を出た。 「じゃ、行こうっか。」 「うんっ。」 狭い玄関に二人肩を当てながら、一緒に靴を履いた。玄関を出ると、少しヒヤッとする風が頬に触れていった。