「じゃ、俺は仕事行ってくるな。」

「え?今帰ってきたんじゃないの?」

 豪は立ち上がり、隣の部屋に移動しようとしていた。

「もうひとつの仕事。掛け持ちしてるんだよね。」

 そう言いながら、隣の部屋へと入っていった。

「昼までは運送屋で働いて、昼過ぎから飲食店で働いてるの」と捺乃が付け加えた。

「忙しいんだね。大変そう。」

「まぁね。本当感謝してる。」

 少し照れくさそうに捺乃は言った。