「慌てて帰って来たから、鞄学校へ忘れて来た。」





何やってんだか、司らしくない。





「今日あいつが来るだろ。」




あいつ?





「田中が来るから、あいつと夢子二人にしたくない。だから早退した。」





「司、何心配してるの。田中君は編集者だよ。何の心配もいらない。」





「夢子がそう思っていても、田中は違うと思う。田中は絶対夢子が好きだ。」





司、心配し過ぎだよ。





「夢子が鈍感なだけ。だから二人だけにはしたくない。」





司、嬉し過ぎる。





私だって心配なんだ。





司はモテるから、学校には可愛い女の子沢山いるし、だって私は可愛くない。