三枝を追って中へ入ると、
入り口付近よりもさらに暗く、
雰囲気はまさに、何かが出そうだった。


「これ、1個使ってください」

三枝からライトを渡された。

彼も自分の分のライトを持ち、
先が照らし出されているが、
特に何も無く、埃が舞っているだけだ。

別に不気味なラクガキも無いし、
ごく普通のマンションに見える。


俺もライトのスイッチを入れていると、
その間に三枝は入り口を閉めた。

……鍵を閉めたような音もした。


どうやら本当に、
許可を取っていたらしい。