見えないモノと、指の銃。



ふと、教室から外を眺める。

風はあまり吹いておらず、ああ、これならきっと、綺麗に打ち上がるだろう。

今日は祭りで、花火が上がる。


その場所と家は離れているけれど、
家は高い所に建っているから、誰にも邪魔をされずに堪能できる。

お祭りの手伝いで、父様も母様も出られているから。

兄様に手を引いて貰って、屋根に上って。
誰よりも綺麗な、花火を見せてくれると、そう約束したから。

だから早く、夜にならないかしら。


……誰かの記憶が入り込んで、少し気を抜くと、まるで夢を見ているみたいだ。

今日は近くで祭りなんてないし、花火も上がらない。

今朝の会話だって、もしかすると『弟』と言われたのを、勝手に『兄』に変換されたのかもしれない。
だったら意味が解らなかったのは、俺の方か。

きっと夢で拾う手足の持ち主は、兄のいる女の子。
彼女の意識か思い出かが、段々と増えていく。


帰りまで待てずに、昼休み、三枝を呼び出した。