見えないモノと、指の銃。



その時。

教室の逆端に設置されているスピーカーから、放送が流れた。


キンコンカンコンと、音が鳴り響き、
続けて小学生位の子の声で、

『5時になりました。
よい子のみなさん、
おうちに帰りましょう』

校内で聞いた事の無い、その放送。

黒い塊は、さっき殴られた時のように動きを止め、そしてくるりと足の向きだけが変わった。

いつの間にか、あんなにあった目の数が減っていた。
見覚えのある目も、化粧っ気のある目も無い。


身構えている俺たちには見向きもしなくなり、そのまま移動を始めた。

教室の、外へと。