「さっき俺が撃ったのは、
先輩の望みと勇気ですよ」
「俺の、望み……?」
彼の話を信じるとして、
それは果たして何だったのだろうか。
『殺された』
そう言うのなら、
もうすでに俺の中には無い。
だから、忘れてしまった?
俺の望みはなんだったんだ?
「先輩の望みは、終わらせる事」
また、後輩は尋ねる前に喋る。
「終わらせる?」
「そう、先輩は自分を終わらせたかった。
その望みと、芽生えてしまった勇気を俺は撃ったんです」
終わらせるという意味も解らない。
けれど考え出す暇も与えずに、
後輩は話を続ける。



