見えないモノと、指の銃。



閉めたドアが、静かに開かれ始めた。

スーッと横に動き、
向こう側が徐々に見え始める。

ドアを開けたのはやっぱり、
あの黒い塊だった。

下は、黒いけれど足のような形をしている。
そのまま見える範囲で観察を続けると、
いつの間にかドアは全部開き、
黒い奴が教室内へと足を踏み入れた。


まずは出入り口近くのロッカーの前で足を止める。

それは俺の目の前でもあり、
近くで見ると、黒い塊は、
何か細長い物で形作られているようだった。

所々、糸のような切れ端が飛び出している。

もぞもぞと蠢いたかと思えば、
最初に見た時のように、細長い手が出てきて、ロッカーを開けた。


何も無い事を確かめると、
バタンっと強く閉めた。

そのまま奥か、もしくはこちらへと足を向けるだろうか。