少し走ったそこで、気が付いた。
「……ヤバい、こっちに階段は無い」
同じく気が付いた誰かが言った。
目の前には壁と教室へのドア。
周りの壁は教室のスペース分で、
廊下に続く先も無く、選択肢は2つ。
戻るか、教室へ入るか。
逃げ込んだところでどうにもならないだろう。
そう意見は一致し、踵を返そうとして俺は思い出した。
確かこの右側の教室には物置があって、
その扉はキツク閉めると、中々開けられなくなるはずだ。
このまま戻って、
階段までとあの黒い何かの間に距離がある事に賭けるか。
それとも……。
可能性を考えてみたけれど、
さっきまでの後ろ、今の先頭に居る奴は、
すでに引き返し始めていた。
とりあえず、全力で走ろうか。



