「最近よく来る奴いるじゃん?
先輩、先輩って呼ばれてるけど、
あれってなんかの後輩なの?」
「ん、まあそんな感じ」
級友の萩原(はぎわら)に尋ねられ、
事実を言うのは躊躇われるので、
適当に流しておいた。
あれから数回、
やっぱり俺は似たような事に付き合い、
さらに毎日、何かを撃たれている。
今日も来るんだろうな、と
複雑な思いでいる俺を知らず、
萩原は俺に話しかけ続けてくる。
「そういやさ、
近くに女子高あんじゃん?」
確か、なんとか女学院とかいう
お嬢様っぽい学校が近くにあった。
「そこにさ、
すんごい可愛い子いるんだよ」
「へー、よかったじゃん」
「ちゃんと聞けよ!
でさ、その子の背中に、
貼り紙貼ってるんだって」
「……貼り紙?」
なんだそれ、いじめか?