見えないモノと、指の銃。


本当、懐かれたままだ。
今更ながら実感する。


もっと早くに気づけばよかった。
認めればよかった。

俺だって、本当は。



「ねえ先輩。
諦めるのにも、
勇気って必要だと思うんですよ。

飛び降りるだとかに使う位なら、
そっちに使ってもいいんじゃないですか?」


そうだな。

もう、八紀に返そう。


「……だけどさ、俺、
どうすりゃ成仏できるかとか、知らない。
だから撃ってくれないか?」


そう頼むと、三枝は顔を俯かせた。

「先輩、」

その声は震えていて、そこで止まる。


なんだろう。
躊躇いでもあるんだろうか。

そう思って黙って待っていると、
少しして彼は顔を上げた。


その顔は……笑ってる?

三枝は、今にも我慢できずに吹き出しそうなのを堪え、続きを口にした。


「先輩、死んでませんよ」




………………は?