見えないモノと、指の銃。



「……あれは、空き教室に居た子……?」

空き教室で出会った、
死にたがる女の子。

『一緒にいこう?今度こそ』

あの子は確か、そう言っていた。

あの言葉は、遠い昔の誰かに向けた物じゃなく、俺への物だった?


「先輩が落ちた時、
下から見ていた生徒が居て、
それで事故だと判断されたそうですよ。
だけど本当は、
誰かに押されたんじゃないですか?」

聞こえた声を思い出し、思わず呟くと、
三枝はそう尋ねてきた。

‘見えない誰かに落とされた’
例えそうだとしても、目撃者さえいなければ、その内部屋の遺書が見つかって、自殺と判断されたかもしれないのに。

タイミングが悪い。
俺の運はあんまりよくないみたいだ。

……そういえば、
遺書はどうなったんだろう。

誰かが見つけただろうか。



「脆い柵に寄りかかったからだとされても
念の為って、フェンスは完成しましたが、
今年度から屋上、立ち入り禁止になったんですよ」

ついでとばかりに付け足されたその言葉に、また1つ思い出す。


『あなたのせいよ』

少女には、そんな事も言われていた。

あれは消える事になった事へか、
それとも……屋上への立ち入りが禁止になった事へか。


どっちでもいい。