見えないモノと、指の銃。



見せられた新聞のコピー。

その日の前日に起こった出来事を書いた記事。
それは今年の3月の……確かこの日は終業式だった。

俺の通う高校の屋上で、
新年度に間に合わせる為に工事中だった、
設置作業途中のフェンス。

その時そこに合ったのは、仮の柵。

脆い作りのそこから1年の男子生徒が転落し、意識不明の重体だとの記事。


「思い出せますか?」

そう尋ねてくる三枝。

記事を読みはじめて、
少しずつ思い出してくる。
それと同時に、頭の痛みも少し減る。


そうだ、これは。
この記事の男子生徒は俺だ。


だけど俺は……飛び降りたんじゃなかったか?


そうして脳裏に浮かんだのは、あの日の記憶。