見えないモノと、指の銃。



駅で秀明さんと別れ、
俺と三枝は図書館へと向かう。

何を見せる気なのかと思ったら、
探してきたのは少し前、今年の春先の新聞だった。

その地方欄のページのどこかをコピーして、じゃあ帰りましょうと言ってきた。

今ここで、見せる気は無いらしい。


そのまま、こっちの方が近いからと、
三枝の家へと連れて行かれる。


「先輩の家とだと、
丁度この辺りで学区別れるんですよね」

その途中、手で空間を区切るよう動かしながらそう言った。

確かにこの辺りで区切られる。
小学校も中学校も、同じ位置で変わるはずだ。

その所為でこの辺はどっちになろうとも、学校までが遠い。


「だから先輩とは繋がりありませんでしたが、先輩の弟――八紀とはね、友達だったんですよ」

八紀(はつのり)、それは弟の名前だ。
確かに学年一緒だし、家は割と近い。
付き合いがあったとしても、おかしくはない。


「だからビックリしたんですよ。
入学前に会った時は普通だったのに、
いきなりそんなんなって、
しかも違う人になってるから」

そんなん、とは纏わりついてるモノの数の事だろう。

そして‘違う人’……予想はついてきた。
でも一体、俺と弟に何があったのか。

痛む頭は少しずつ思い出そうとする。
だけど、中々先へは進まない。


歩みを再開すると、すぐに彼の家へとたどり着いた。


「さ、どうぞ」

招き入れられ、家へと入る。