俺と弟は、父親は一緒だからか、
それなりには似た顔をしている。
だけど暫く見た記憶が無いからって、
ここまでそっくりの顔になっている訳が無い。
鏡の中に居たのは、
弟の姿、そのものだった。
…………頭が痛い。気持ち悪い。
「登校した記憶はあっても、
はっきり教科書を読んだ憶えとか……
学年を自覚するような記憶は無いんじゃないですか?」
三枝の声に顔を上げると、
そこはまた……新幹線の車内のようだった。
あの家を出た記憶どころか、
部屋を出た覚えも無いのに。
見える視界は明るく、日付は変わっているようだ。
向かいの席には、来た時のように秀明さんが居て、だけど眠っている。
同じく隣に三枝は居る。
「……なあ、一体どういう事なんだ」
「帰ったら図書館行きましょうか」
そう言って、おやすみなさいと三枝は目を閉じた。
もしかすると昨日は碌に寝ていないのかもしれない。
起こす気にもなれなくて、
俺は大人しく駅に着くのを待った。



