早く。
それは一体誰に頼んでいる?
つなぐ手は、違う。嫌だ。
俺自身が動かしているのか解らない。
勝手に足が暴れる。
引き留めようとする誰かかもしれない。
居てもいいよ、って。
それは誰だ。
俺じゃない。
俺は、誰だ?
何もかも解らなくなりそうだ。
体から引きずり出されそう。
……何が?
どんどん思考がかき回されていく。
ガサッと、またどこかで音がした。
どうやら紙袋に足が当たったみたいだ。
紙袋から何かが飛び出たらしい。
繋がれた手に、何かが当たる。
女の、握った手から力が抜け、
そして俺の手から離れていった。
代わりに、落ちている何かを持った。
何だろう、あれ。
何だろうね?
2人分の疑問が浮かぶ。
何で?
手が離れたら、引かれる感覚は消えた。
だけど、何、誰?
扉が大きく開いた。



