袋の中には、丸い手鏡と台座が入っているらしい。
らしいと言うのは、俺は中を見ないまま、三枝が持ったから。
そして今居たよりは小さめの部屋へ案内された。
窓は無く、灯りは間接照明が1つ。
それを点けると柔らかい明るさになって、
入った瞬間にあった薄気味悪さは無くなった。
「念の為、先輩はここで待っててください」
万が一巻き込まれたら面倒だからと言いながら三枝は部屋の入り口に手鏡を置いた。
鏡は俺からは見えず、
扉を映す向きになっている。
「鏡、見ませんよね?」
問われる意味が掴めないが、見ないと返事をした。
「それじゃあ、絶対に、
ここから出ないでくださいね」
次に俺が開けるまで。
そう言い残し、扉は閉じられた。
2人分の足音が遠ざかっていく。
……寝て待つか。
敷いてあった分厚い座布団を枕代わりに、畳の上に寝転がった。
周りには箱が置いてあって、
外見は物置かと思ったのに畳敷きで、意外と居心地がいい。
朝からの移動の所為か、それとも心労か、
横になると心地いい眠気がやってきた。



