女がやってくるのは夜。
あの後、邦明さんのご両親や、
陽奈子さんの家族にも会い、話を聞いた。
そして勿体ない位豪華な晩御飯をご馳走になったり、何も出来そうもない俺としては、若干居心地が悪い。
「……なあ、俺が来た意味、無いだろ」
「確かに今回はおとり要りませんしね。
でも、先輩を放っておくのもちょっと……だったんで」
どういう意味だと、問いただした。
俺は自分から怪しい事に首を突っ込む気は無い。
いつも勝手に巻き込まれるだけだ。
「だって、嫌な夢、見たでしょう?」
そう言われ、新幹線の中で見た夢を思い出した。
夢の中では最悪な気分だったけれど、
目覚めてからはそれほどじゃなかった。
つまりはきっと、
俺が起きる寸前にでも、撃たれていた訳だ。
返す言葉を探すのを諦めると、襖が開いて秀明さんが顔を出した。
彼の手には、小さな袋が1つ。



