「ちょっと窓開けましょうか。
息苦しくない?」
秀明さんがそう言って、窓際へと寄り、布と障子に手をかけた。
確かに、空気が悪いと言うか、
雰囲気の所為か、少し息が詰まるような感じがする。
そして開けられた窓から風が入ってくる。
邪魔になる布は、
ちゃんと留める場所も用意されていたようで、部屋の明るさも大分マシになった。
スーッと吹き抜ける風は、
室内の別の窓の布を揺らす。
そっちの窓の向こう側はこの部屋よりも暗いらしく、薄らと室内を映し出している。
風はさらに吹き抜けになっている隣のスペースまで届き、違う布を捲った。
その布が隠す物は窓では無く、鏡。
露わになったその鏡には、
どこか近くの壁が映っている。
誰も居ない、はずの場所。
だけどそこに、通り過ぎる人影が映った。



