それが一体何を意味するかなんて、知りたくない。
今は似ていない、真剣な目から視線を逸らしながら、窓の外を見た。
線路周りは林になっているらしく、
木の緑と茶色と、他には空の青が少し覗いて見える位だ。
前方にトンネルが見えて、
車体がその中に入ろうかという時、ふと隣の三枝から視線を感じた。
「……何?」
返ってくるのは無言だけで、
秀明さんも他の乗客の声も聞こえない。
俺もただ、三枝を見返すだけだ。
ガタンゴトンと線路を走る音だけが聞こえる。
――数十秒後、トンネルを抜け明るくなった頃、ようやく三枝は口を開いた。
「別になんでもありませんよ」
そう言って彼の視線は秀明さんへと移った。
「以前は誰かが死んだ時って、
それは子どもじゃなくてもですか?」
「ええ。
多分……誰でもよかったんだと思います。
死者の魂を連れて行って、
それで一時満足するんだと聞いていますから」
安置する場所には誰も残らず、
家の人は鏡を置いて、過ぎるのを待つ。
それが彼の家の因習なんだそうだ。
……つまり、死んだら女に連れて行かれる。
そういう家なのか……?
話を聞き終え、そう考えてみるとぞっとする。



