無い筈なのに、相手の目と目が合う。
そしてニヤリ、と口端が上がった。
しかし次の瞬間、困ったような、
拗ねたような口元になり、そしてまた喋り始めた。
「でもねー、このお兄ちゃん、
もう死んでるようなものだからねー」
どうしようか。と、
居ない相手と相談しているようだ。
いやいやいや、
死んでるようなもんってどういう事だ。
どう見ても生きてるだろ、俺。
口ぶりから察するに、
恐らく普通であればここで、事故やらに遭うと言われる所なんだろう。
それなのに何故か、
「困ったねー
困ったなー」
意味の解らない、死んでるようなもん扱いを受けて、むしろ俺の方が困っている。



