見えないモノと、指の銃。



「だって名字だと何か余所余所しい……」

まだブツブツと言う加々美さんから逃れるように、俺は植込みの方へ歩いた。

コンクリートで道を作って遊歩道のようになっている向こう側と、芝生になっているこちら側を分けるそれは、結構な高さだ。

小学校低学年の子が隠れる位はあるだろうか。葉が丁寧に揃えられていて、手入れが大変そうだ。

そんな感想を抱いていると、
丁度、想定した位の背の高さの子が歩いて来たらしい。

誰かに話しかける声が聞こえる。

珍しく遊びに来た子たちだろうか。
もしかすると、度胸試しに来たという可能性もある。


俺はタイミングよく、まばらに生える木の影に居た。
向こうからもきっと、俺は見えない事だろう。

なんとなく、様子を伺う事にした。