見えないモノと、指の銃。



そんなある日、俺の前に誰かが立った。

あまりにもピンポイントで足を止められ、
思わず顔を上げると、
その人物は、確かに俺を見ていた。

俺と同じ高校の制服を着ていて、
心配そうにしている顔が、
少し、後輩に似ているような気がした。

見ていると何だか泣きたくなった。


その人物の隣に、同じく制服を着た、
こっちはネクタイまでちゃんと着けている少年が居て、彼も俺を見ていた。

ネクタイを締めている方が、
子どものするような、指で銃の形を作り、
それを俺に向け、笑っていた。

その顔はちょっと悲しそうな、
慈しみを含んだような、
よく表現できないけど、それを見ると、余計泣きそうになるじゃんか。

そして彼は言った。


「もう大丈夫ですよ」