見えないモノと、指の銃。



「さあ、いこうか」

真後ろにいた彼が、
そう言いながら俺の背中を押す。


「っ、どこにだよ?!」

思わず叫ぶ。

何故なら明らかに向かう場所は窓だし、
その窓のガラスはもう、無いに等しい。

上の方に少し残っているだけで、
後は風通し抜群。

割れまくっている。


逆らおうにも、
1人の力とは思えない程に、
強く、背中を押されている。

それでも足に力を入れて耐えていると、
続いて腕を引かれた。


……手に。

誰だと前を向いても、
本当にただ、手だけしかない。

次いでもう片方にも、
手が伸ばされた。