見えないモノと、指の銃。


いつまでも出来上がらない建物は、
骨組みさえなくなって、
何も無くなった。

俺にはペンダントも、無くなって。


だけどやっぱり帰れないままで。


ただただ、ここに居るだけしか出来なくて。



空き地になったここには、
子どもが野球をしにきたりする。

暗くなって帰っていく彼らに、
俺も一緒に行こうとしても、やっぱり無理。

誰の手も掴めない。


後輩も、何度も来るけど、気づきさえしない。

絶対迎えに来るって、言ったくせして。


多分、あの指は、
どさくさ紛れに外へ出た。

俺の事は……むしゃくしゃしたから、
道連れにでもしたかったんだろう。


俺だって、関係無い誰かを殺してやろうとか、1度くらい思ってみた。

でも無理。

そもそもどうやって呪うんだ、祟るんだ。
意味わからん。


俺には無理だと諦めた頃、
後輩の姿を見なくなった。

彼の制服姿を見るたびに、
ちょっと羨ましくなったり寂しかったりしたから、どうせ帰れないんだし、忘れるには丁度いいか。


遊ぶ子供も、通りすがる人も、
いつしか見ないようにしていた。