見えないモノと、指の銃。



登下校時だけじゃない。

誰かと一緒だと大丈夫なのに、
1人で歩いていると、気が付くとあの場所にいる。

そして1度入ってしまえば、
自分だけで出る事が出来ない。

誰かが手を引いてくれるのを待つしかない。


迷子の子供かよ。

今日もうっかり来てしまったから、
自分に毒づきながらも、後輩を待つ。


『大丈夫ですよ、
俺が絶対、迎えに行きますから』

そう言いながら笑う彼は、
最初ここに連れてきた罪悪感もあるんだろう。
けど、良い奴だなと思う。

彼が連れ帰ってくれるから、
何度転んでも、気のせいだと、まだ思い込めている。

怖くない。
帰れるから。

大丈夫だ。

暗がりの中で、今日も待つ。