出られるだろうか。
土と道路のコンクリートの境目を越えようとした時浮かんだその不安。
予想通りに、いつも通りに。
やっぱり俺は、また戻っていた。
他にこの事を知っている人もいない。
だから授業中だと知りつつも、
あの後輩へと俺は電話をかけた。
授業中、のはず。
なのに彼は、すぐに電話に出た。
いつも遅刻はしない俺が、まだ登校していないから、もしかして何かあったんじゃないかと心配してくれていたみたいだった。
何となく見ていたくなかったから、
あんまり建物の方を見ないようにして、
彼が来るであろう方向だけを見ながら待つ事にした。
少しすると、走ってこちらへ向かってくる姿が見えた。
息を切らしながらも、
俺の無事を確認すると安心したらしい。
「さ、行きましょうか」
そう言って手を差し出される。
その手を取って、
俺はようやく、学校へ向かう事が出来た。



