振り返ると、そこには女が居た。
足音がしなかった理由?
そんなの簡単な事だ。
存在そのものが妄想で、
顔は見る側の想像で出来ているなら。
俺が想像する、ありきたりな幽霊像。
それは髪が長くて、そして、足が無い。
無いんだから、足音を出せる訳が無い。
同じように気配も無く、
突然襲われてその存在に気づく。
そこはきっと、昔やったホラーゲームの所為だ。
きっと女は、だいぶ前から俺を追いかけていたんだろう。
走っていなかった事に関しては幸運だった。
車が照らしてくれた事も。
だけど、
逃げ切れるだろうか。
夢よりも距離が近い。
俺の、本当に少し後ろに女は居る。



