見えないモノと、指の銃。


かすかな足音が聞こえてきて、
音をたてないように歩いていた足を止めた。

どうやら追ってくる奴は、近くまできたらしい。


そのまま曲がり角に入らずに、
通り過ぎてくれる事を祈りながら、俺は耳を澄ませる。



カツン、カツンと響く音を
注意深く聞いていれば、
俺の物よりも高い音を出していて、
ヒールのある靴を履いているだろう事が解った。

相手は、きっと女だ。


少しずつ足音は近くなってきて、
そしてふいに立ち止まった。

こっちには明かりが無いから、
かすかにだけれど、相手の姿が
輪郭だけぼんやりと確認できる。


この道を覗き込むように、
少し首を斜めに反らせたような気がした。

その仕草に、思わず俺は一歩下がった。


運の悪い事に、誰かの家の真ん前。
街灯は無いが、外灯があった。

あの、人影に反応するライトだ。

その光が俺を照らす。