それから数日後のことだった。

「水萌、牛乳を飲むか?」

「うん、ちょうだい」

僕は水萌のマグカップに牛乳を注いだ。

いつもと同じ朝だった。

僕は水萌手作りのスクランブルエッグを頬張った。

「次のニュースです」

つけっぱなしのテレビからアナウンサーの声が流れた。

「今日未明、K町3丁目で遺体が発見されました」

そう言ったアナウンサーに、
「遺体だって、しかも隣町」

水萌はそう言うと、マグカップを口に含んだ。

「ああ、物騒だな。

背中を何ヶ所も刺されたって」

大げさに身震いをした僕に、水萌はクスクスと笑った。