「遅いなあ…」

ケチャップを買いに行くくらいで、何分かかっているんだよ…。

水萌のヤツ、道草をしてんじゃねーよ。

とりあえず待つのは無理だと思い、僕は彼女を迎えに行くことにした。

そしたら、この状況である。

見知らぬ男と水萌が対峙してた。


悪い魔女からお姫様を救った王子様と言うのは表現的に変かも知れないけど、今の状況を表すとするならそれだろう。

「水萌、ナポリタンできたぞ」

膝を抱えた状態でソファーに座っている彼女の前に僕はナポリタンを置いた。

自分の分のナポリタンも持ってくると、水萌の隣に腰を下ろした。