怒鳴っているのか、叫んでいるのかわからない。

怖くて声が出ない。

寒い訳じゃないのに、躰が震える。

嫌だ、蓮ちゃん!

「――何をやってるんだ!?」

その声に視線を向けると、
「蓮ちゃん!」

階段のところに蓮ちゃんがいた。

「全く、ケチャップを買いに行くくらいでどれだけ時間がかかってんだ」

わたしのところに歩み寄ると、蓮ちゃんは腕を引っ張った。

「とっとと帰るぞ」

「待て!」

蓮ちゃんが中條に視線を向けた。