やっと終わった。

中條の授業が終わった。

週1回の割合である彼の授業を受けるのは、まるで拷問だ。

図書室で無理やり彼にキスをされたショックは立ち直ってはきたけど、まだ完全とは言えない。

「あ、佐々木さん。

佐々木黎さん、話があるので前に」

急いで帰り支度をしていたわたしに、中條が呼んだ。

…最悪だ。

最悪以外の何を表現しようか?

最悪以下の表現があるなら、ぜひとも教えて欲しいくらいだ。

仕方なく荷物を机のうえに置くと、わたしは教壇のところにいる中條に歩み寄った。