授業を終えると、僕は真っ先に水萌を迎えに行った。

あいつ、大丈夫だったかな?

ちゃんと姉を演じたんだろうな?

変なところでボロを出して、それで疑われてなきゃいいけど…。

そう思いながら、僕はバイクを走らせた。


姉の大学の門の前に水萌はいた。

「姉さん!」

水萌と呼んだら大変なので、どうしてもこの呼び方になってしまう。

「蓮ちゃん!」

水萌が僕のところに走ってきた。

「さあ、帰ろっか」

僕が水萌にヘルメットを渡すと、
「うん、ありがとう」

水萌は嬉しそうに笑いながらヘルメットをかぶった。