すると、水萌は猫のように僕に擦り寄ってきた。

「ありがとね、わたしと黎ちゃんを守ってくれて」

そう言った水萌に、僕は水萌に腕を差し出した。

幸い、かすり傷だけで済んだ僕の腕を水萌が枕にする。

「水萌の方こそ、ありがとう。

お前が中條の奥さんに俺の番号を教えなかったら、どうなってたことやら」

「フフッ、それはごめんね」

「悪いなんて思ってねーだろ?」

そうは言っても、水萌の顔を見て僕は安心する。