「刃物を持ってる中條に果敢に向かって行ったんだもん。

すごくかっこよかった」

そう言った水萌に、
「まあな」

僕は返事をした。

今振り返って見ると、僕もよくやったよなと思った。

ヘタしたら殺されるかも知れないと言う恐ろしい状況に、よくやったもんだ。

「けど、当然のことだろう?

俺は水萌も、姉さんも、絶対に守りたかったんだから」

僕は言った。

勇気を出して、殺される覚悟で、中條に立ち向かった。

「蓮ちゃん」

水萌が僕の名前を呼んだ。